悪魔との契約~死なないブレスレッド~

怖い話・怪談etc

スペインは世界最高峰のサッカーリーグ

リーガエスパニョーラや温暖な気候で

陽気なイメージが付き纏います。

しかし悪魔崇拝としての陰湿な側面を持っています。

西浦和也さんの悪魔との契約に関する話を紹介します。

死なないブレスレッド

質に仕入れる者

 質屋には高級ブランドのバッグや
 貴金属の類いが持ち込まれる。
 
 元彼から贈られたプレゼントを
 持ってくる人。。。
 生活のため泣く泣く大事にしていたもの
 売りに来る人。。。
 
 近年は呉服・絵画・骨董品と
 取り扱い可能な商品も増えて
 来客する人々の幅も大きく拡大し
 そこに介入する人々の人生の一端を
 垣間見ることができるのも
 質屋ならではだろう。
 
 道内のある質屋に常連客が訪れることから
 この”死なないブレスレッド”の話が始まる。
 
 この質屋は少々特殊で顔なじみの人が
 店に置かれている商品を購入したり
 海外に旅行したお土産を売却したりする。
 
 常連客の一人が複数の骨董品を持参して
 買い取ってほしいと依頼があった。
 
 彼はよくこの質屋を訪れては
 商品を購入したり
 買い取ったりする間柄である。
 
 その中には商品とは思えない
 黒ずんだシルバーのブレスレットが
 含まれていた。

黒ずんだブレスレッド

 大将は品定めした。
 
 とても商品として取り扱いができない。
 
 他のものは買い取ってもいいが
 これは取り扱えないとの回答した。
 
 しかし他の商品安していいから
 このブレスレッドだけは
 引き取ってほしいと・・・
 
 質に入れることは
 何かしら金銭が必要であり
 高い値段で引き取って貰ってこそ
 客としては都合が良い。
 
 大将は何か訳ありそうと思い
 意を決して一体これは何なのか
 訝しげに問うた。
 
 どうやらスペインで仕入れた
 曰く付きの物であるらしい。
 
 旅の途中で教会を訪れた際に
 老夫婦が神父さんに頼み事をしていたが
 物別れに終わった様子であった。
 
 神父が奥に帰った後に
 一体何があったのか伺った。
 
 彼らは黒ずんだブレスレッドを
 握っていた。
 
 息子の形見だそうだ。
 
 それを預かって貰うように
 依頼したが断られたらしい。
 
 スペインはフラメンゴや
 世界最高峰のサッカークラブ
 地中海の温暖で陽気なイメージだ。

 しかしながらそんな雰囲気とは
 似つかわしくない裏の側面として
 エクソシストのメッカとしても知られている。
 
 老夫婦は悪魔祓いをして欲しかったようだが
 この教会では受け付けられなかった。
 
 エクソシストと聞いては穏やかではない。
 興味本位で内情を探った。

悪魔と契約

 老夫婦の息子が生前悪魔と契約したと
 彼らに話をしていたらしい。
 
 ある日悪魔との契約の仕方を仲間内で
 面白半分に実践したらしい。
 
 生贄として自分がしていた
 ブレスレッドを差し出したそうだ。
 
 しかし想定していた通り
 何も起きなかったため
 友達と別れて帰路についた。
 
 その日の夜、
 夢の中に何者かが呼びかけてくる。
 
 「お前の言う通り契約してやる。
  オレと契を結んでいる限り
  滅多なことでは死なない体にしてやる」
 
 現実かどうか判断がつかず相槌を打った。
 
 翌朝目覚めて何か変な夢を見た程度で
 いつもと何の変哲もない朝だ。
 
 昨日まで光っていたシルバーのブレスレッドが
 真っ黒に黒ずんでいた。
 
 契約が結ばれたと確信した。
 
 親や周囲の仲間に自慢げに
 言いふらしていたという。
 
 そのうち彼は不慮のバイク事故で亡くなり、
 老夫婦は息子を偲び形見を持って
 ゆかりのある地を旅していたそうだ。
 
 旅の途中からブレスレッドから溢れでる
 禍々しいオーラを感じとっていた。
 
 息子との思い出を回想しているうちに
 悪魔と契約したと吹聴していたのを思い出した。
 
 まさか本当に。。。
 
 藁をもつかむ思いで訪ねたのが
 冒頭の教会であった。
 
 どうやら契約した悪魔の名前が解らない限り
 悪魔祓い自体が出来ないとのことで
 断られたそうだ。

契約の更新者

 悪魔が宿っていると思われる
 曰く憑きのブレスレッドに興味をそそられ、
 老夫婦にごちそうする代わりに
 譲ってほしいと打診して
 手に入れたものであった。
 
 そうして旅を終え日本へ帰国し
 帰路への道中で交通事車の事故処理現場に
 遭遇した。
 物騒だと思ったタイミングで
 ハンドルを取られる感覚があった。
 
 路肩に車体を乱暴に停止した次の瞬間
 先程まで走行していた場所車線に
 対向車が突っ込んできたのだ。
 
 路肩に緊急停車したのが幸いだ。
 
 まさか幸か不幸か
 ブレスレッドのおかげなのか?
 
 気味が悪くなり道内の質屋に
 持ち込んだという訳だ。
 
 そんな話を半分ほども信用しないで
 聞いていた大将は
 他の商品も安く手に入る為
 売り物にもならない
 ブレスレッドを引き取った。
 
 この一件があってから
 数日後に質屋の大将は
 親戚のお通夜に出席する。
 
 当日まで何もなかったのだが
 式の最中何か吐き気を催して
 具合が悪くなる。
 
 弟に抱えられ式場で一晩明かした。
 
 翌日何とか歩行も可能になり
 車を動かそうとエンジンを
 掛けるタイミングでガソリンタンクが
 開いていることがわかり爆発事故を免れた。
 
 その数日後、息子を教習所の待ち時間中に
 先日の式場での吐き気と同様の症状が襲ってきた。
 病院へ行くと脳梗塞で緊急入院となった。
 
 吐き気は脳梗塞の初期症状だ。
 
 血液をサラサラにする薬を投与され
 なんとか退院する。
 
 しかし数週間後進行版の脳溢血になり
 半身部に痺れが残ると診断された。
 
 その検査でステージ3の末期がんで
 あることが宣告されるのである。
 
 数週間前の入院では発見されなかった。
 しかし数日でリンパ転移状態まで
 進行するとは考えられない。
 
 都合何度も滅多なことでは
 死なない状況が起きていた。
 
 
 大将は亡くなり
 現在は質屋の商品は息子に譲渡されている。
 つまり死なないブレスレッドは彼が所有している。
 
 生前この話を病床で父である大将から聞いた。
 
 悪魔との契約は金銭を通して行われる。
 
 前の客から購入した人から人へと
 所有者と再契約するのだ。
 
 

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