隣の家~DJたらちゃんの怪談~

不思議なお話~神社・お寺・怪談etc~

 ご近所付き合いをされている方はいるだろうか?
 昔は隣に誰が住んでいてどんな仕事をしているということは
 まさに日本人特有の集団行動派生版といえる。
 
 太古の日本では集団行動が出来ないと生活ができなかった。
 主食である米作りでは灌漑工事・田植え・種まきから刈り入れ
 島国特有の激しい気候変動と相まってそれぞれが機能しないと
 食事の確保は難しかった。
 
 その思考は日本人には染みついている。
 
 先進国の技術革新・食事インフラの発達・情報化共有の時代になり
 隣の人がどんな人なのか関係性は希薄もしくは皆無であろう。
 
 とは言いつつも地方ではまだまだご近所付き合いは多い。
 
 今回はアニソンDJ兼コスプレイヤーとしてご活躍されている

 DJたらちゃんの怪談をご紹介しようと思う。

隣の家

後ろ姿の”おばさん”

 彼女は愛媛で育ちその後中学3年生まで東京に住んでいた。
 その後に再度愛媛に引っ越した。
 
 遠い親戚である陽子さんは少し年上で一緒に遊ぶのが楽しかった。
 
 ある日いつも通り遊ぶため、陽子さんの家に行った。
 庭先に出て迎えてくれて立ち話をしていると
 「隣の家」の人達が外出から帰宅した様だった。
 
 母親・娘さんは会釈をしてくれたが、
 父親ともう一人の女性・・・親戚関係に当たる人だろうか?
 その二人はこちらの挨拶に何も返してはくれなかった。
 
 家に入り、たらちゃんは陽子さんに言った。
 
  たらちゃん:「隣のおいちゃんとおばさん愛想悪いね・・・」
  陽子さん :「隣のおいちゃんはそんなもんやわ」
  たらちゃん:「あのおばさん誰?」
  陽子さん :「恐らくおいちゃんかおばちゃんの親戚やと思うけど」
 
 
 おもむろにソファの上に立って窓越しに隣の家の中をみると
 その”おばさん”が立っていた。
 
 陽子さんはたらちゃんと一緒にその姿を見ながら
 あのおばさん誰なのかということを話していた。
 
 しかし何故が違和感を感じる。
 
 完全に後ろ姿である。
 
 2人はその不自然さがどこにあるのか認識度が増していく。
 
 指がおかしい。。。
 
 確信した。。。
 
 手のひらがこちらを向いている。。。
 
 「何あれ、絶対おかしい・・・」
 
 その瞬間陽子さんのお父さんに隣の家の中を必至に見ていたのを
 隣の家をジロジロ見るもんじゃないと咎められた。
 
 その後東京に引っ越しして陽子さんとの疎遠になり、
 再度愛媛に戻ってくることになる。

”おばさん”はいない

 陽子さんは社会人になっていた。
 しばらく遊ぶこともなかったがタラちゃんが住んでいる家の付近に
 引っ越してきたこともあり、また昔と同じように交流する間柄となった。
 
 ある四国で行われた怪談イベントに一緒に行ったときに
 帰りの車中ではそれぞれ仲間うちで持っている怖い話を
 話しながら帰るのが恒例だ。
 
 友人たち次々話を続ける中、陽子さんにバトンが回った。
 
 しかし「私はそんな話は持ってない」ということになり
 彼女だけは怖い話のルーティンから自ら外れた。
 
 仲間が一人また一人と帰路に就く中、
 車内にはあと陽子さんだけ送って終わりというときに
 車を走らせていると不意に口を開く。
 
 それはさっき仲間が数人乗ってた中で言うを躊躇ったようであった。
 
 昔二人で見た”隣のおばさん”の話だ。
 
 陽子さんは回想しながら言う。
 
 実はその家の娘さんは同級生である日両親が離婚することを告げられた。
 理由はお父さんが働きもせずフラフラしていたため
 お母さんの堪忍袋の緒が切れたそうだ。
 
 その時に前から疑問に思っていたタラちゃんと一緒に見た
 後ろを向いているにも関わらず手のひらが逆であった”おばさん”・・・
 
 陽子さんは不意に一家と一緒にいる”おばさん”について聞いてみると
 「そんな人うちにはいない。」と言われた。
 
 驚きだ。
 
 たらちゃん・陽子さんの2人にしかその”おばさん”は
 認識できていなかったのだ。
 
 しかし陽子さんは「そんなことはどうでも良い」と突き放した。 
 まるで何かもっと驚愕するような事実があるかの様に。。。
 
 陽子さんはある事件の話を続ける。

再婚と事件と再々婚

 「隣の家」の持ち主は母親だったため、離婚を突きつけられたお父さんは
 家を追い出される形になった。

 それから半年後、再婚して新しいお父さんと連れ子が
 家で一緒に生活する形になった。
 
 ここまではよかった。
 
 新しい父親と新しい生活がスタートしたのだ。
 
 しかしその3か月後にその事件で幸せな生活に終止符が打たれる。
 
 午前5:00頃「ギャー」という断末魔の悲鳴・子供が泣き叫ぶ声が響きわたる。
 
 現場はあの「隣の家」。。。
 
 被害者は”新しい父親”となった男性。。。
 
 殺人事件であった。
 
 容疑者は離婚を突きつけられた家を追い出された元夫の兄である。
 
 相関構図が難しくなるが、元夫の兄が自分の弟を哀れに思い
 殺害に及んだのかと思いきや。。。
 
 自分のバイト先の店長を殺害したのち
 1人も2人殺めるのも一緒だという考えの元、
 自分の弟を不幸に陥れたも同然の”新しい父親”の男性を殺害したのだという。
 
 「殺害された新しい父親からすれば何と無念だろう。。。」

 「1つ2つとまるでモノを数えるかのように。。。」

 「人の命を何だと思っているのか。。。」

 「さぞ残された家族は理不尽だったろう。。。」

 恐らくこの事件を耳にした人の平均的な意見だと思う。

 当時、理不尽な殺害動機ということでテレビ等のメディアで

 大々的に取り上げられ報道関係者も大勢押し寄せたという。

 しかしマスコミは事件を大々的に取り上げた後は

 まるで何もなかったかのように

 被害者遺族の”その後”を取り上げることはない。

 

 陽子さんが言いたかったのは”後ろ姿のおばさん”でも

 理不尽な殺人でもない。

 新しい父親を亡くした母親はその2か月後に再婚する。

 殺人事件を起こした兄を持つ元夫と・・・

 
 果たして殺人事件と後ろ姿の”おばさん”との関係は・・・

 

 

最後に

 恐らく奇人・奇才の脚本家でもこのようなストーリーは書かないであろう。

 きれいなオチは創作が多いと言われる。

 本当にあった話というのは締まりのない内容が多い。

 間違いなくこの話も創作ではない類のものかと私は信じている。

 最後までご拝読いただき有難うございました♬ 

コメント

タイトルとURLをコピーしました