現代版リング!?「心霊アプリ」~矢田貝年朗氏の怪談~

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 2019年20代,30代のスマートフォン普及率は既に90%にまで達した。
 スマホの普及に伴いそれを利用したアプリも同時に普及している。
 
 様々なアプリがダウンロードされる中でシステム開発社は多忙である。
 今回はある有名なスマホの脱出ゲームを開発している際に
 起こった矢田貝年朗氏の怪談をご紹介しようと思う。

心霊アプリ

”トんだ”バイト

 携帯用システム開発が主要ビジネスである会社で、
 F君はある脱出系の携帯ゲームを開発していた。
 
 彼はクライアントの要求を把握し、プログラミング・試験・納品まで
 一連の流れを取りまとめを行う。
 
 システム会社ではよくあることだが、書き入れ時は派遣社員バイトを雇って
 人員を増やし開発能力を一時的に高める。
 
 F君も試験フェーズでバイト3名を雇い納品へ向けて作業をしていた。
 
 しかし、1名のバイトがある日を境に会社に来なくなってしまったのだ。
 これもシステム会社あるあるだが、作業時間・拘束時間が長く
 体調を崩してしまうケースがあり、バイト1名もその状況と推測された。
 
 属に言う”トんでしまった”というヤツである。
 
 F君は「仕方がないと自分が試験をするか」・・・
 ということで開発中のゲームを自宅に持ち帰った。

試験

 試験の最中に見覚えのないバナー広告が立ち上がった。
 そもそもゲームの最中に広告が・・・
 
 「心霊アプリ」という広告であった。
 
 プログラミングを行っていたので内部処理が容易に把握できたF君は
 一緒にコードを組んでいたヤツが悪ふざけで入れたのだろうと思い、
 バナー広告の処理を抹消した。
 
 その状態で自宅で試験を行いプロト版をクライアントに見せた。
 要求通りのものが出来上がったと認識でき何とか納品直前までこぎ着けた。
 
 納品前のデモでOKをもらったF君は納品前のゲームを何気に立ち上げた。
 
 削除したバナー広告が再度現れた。
 
 消したはずなのに・・・
 
 再度削除してからゲームを立ち上げるとまた現れた・・・
 
 削除したコードが保存されなかったのだろうか?
 若干焦りながらもコード削除しては現れというのが繰り返された。
 
 長時間労働でおかしくなっているかすこし時間を置くことにした。
 
 納品最終チェックの日広告コード削除されていることを確認して
 動作も問題なし。
 
 その状態で納品前確認を依頼した。
 しかし消したはずの広告が発生していることが告げられたのである。
 
 納入できるか危惧したが、クライアントと相談した結果
 特にゲームの動作上支障はないしこの状態でリリースしても
 あまり問題にはならないと言って貰った。
 
 最後もう一回コードを確認させて貰うことで猶予を1日もらい
 自宅でプログラムを確認したところ、チェックを怠っていた箇所で
 バナー広告表示の処理らしきものが出てきた。
 
 再度削除した上でゲームを起動する。
 
 バナーも出てこないのでどうやら最後のコード確認・試験は
 成功した様だった。

広告の心霊アプリ起動

 安堵に浸ったF君はふと時計を見ると午前2時であった。
 今さっき開放され余裕が生まれたのと
 広告の「心霊アプリ」についての疑問があった。
 
 気になりだすと物凄く気になる。
 思い切ってインストールした。
 起動すると自分の部屋が画面に映しだされる。
 
 カメラと連動するタイプのアプリのようだった。
 
 スマホ画面にだけ白装束の格好をした幽霊のようなものが出てくる。
 
 ARと呼ばれる技術で現実空間をデジタルで生成された肖像が
 画面に映し出される。
 
 今で言うポケモンGOに近いようなものであり
 当時はまだこういった技術は珍しく思わず関心してしまった。
 
 斬新な発想・真新しさに深夜であることも忘れ夢中になった。
 
 彼の自宅兼部屋は試験を行っていたデスクの後側に
 キッチンがある。
 
 デスクの椅子に座っていたF君はスマホを見ながら
 グルっと椅子を180度回転させた。

 画面に写しだされたキッチンの戸棚。。。


 

 それはゆっくりと確かにフワっと開きだした。
 
 ARは現実映像を改変することはない。
 あくまで映し出された空間にデジタル肖像を追加するだけだ。
 
 「?????」
 
 肉眼で戸棚を確認すると開いていない。
 スマホ越しに見ると確かに開きだしている。
 
 ゆっくりゆっくり手前に開く。
 
 画面から目が離せなくなり一部始終を確認しているF君。
 
 完全に開いた中をよく見ると顔は真っすぐで
 半身をあり得ないくらいに頭部側面に巻き込んだ
 ”の”の字に曲がった人が見える。
 
 それは青白い顔をしていて口がパクパク動いて
 何かを言っている。
 
 戸棚から手を使って這い出てきて出てこようとしている。
 
 驚きのあまり声も出せずに凝視する。
 
 体が出きった瞬間それは落下して画面からフレームアウトした。
 
 同時にリアルに”ドンッ”をという音が響きわたる。
 
 落ちた先を肉眼で見るとその”の”の字に曲がった人
 キッチンの床にいた。
 
 曲がった体を復元しながらこちらに近づいてくる。
 
 慌てふためいた混乱と恐怖で考えた術は
 スマホ越しに映すことで現実からAR内へ戻そうとした。
 
 スマホ画面にはそれは映らない。
 肉眼では確認できる状況に咄嗟にスマホを放り投げた。
 
 F君の記憶はここまでであった。
 
 ふと目を覚ますと昨日のことは記憶している。
 
 戸棚は空いていた。
 やはりここから”あれ”は出てきた。
 
 キッチンの流しには食器を浸すための桶に水が張られていた。
 その中にスマホがあるが内部が浸水していてもう電源も入らない。
 
 スマホが壊れたために助かったのだろうか・・・

最後に

 まさに現代テクノロジー版のリングという話であった。

 「リング」日本史上最も有名なホラー映画だ。

 ビデオテープに念写された呪いがテーマであり、

 1週間以内でにほかの人に見せないと自分が呪い殺されるといった内容だ。

 実はこの心霊アプリが広告バナーで出てくるゲームは

 そのままリリースされたそうだ。

 出現して襲い掛かってくる前にインストールしたスマホを壊さないと

 果たして呪い殺されるのだろうか・・・

 以上ここまでご拝読いただき有難うございました♬

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