「舞うと死ぬ」呪われた楽曲~採桑老~

不思議なお話~神社・お寺・怪談etc~

雅楽は日本古来から存在する伝統芸能ですよね?

実は雅楽には「舞うと死ぬ」と言い伝えられた禁忌の楽曲があるそうです。

今回は伝統芸能に纏わる呪いの曲の話をご紹介いたします

呪われた楽曲~採桑老~

序章

日本古来からある雅楽は平安時代から続く1100年以上もの歴史のある 音楽である。
その中に唯一忌嫌われ舞われることがほとんどない楽曲がある。

なぜならその曲を舞うと必ず死ぬという言い伝えがある。

成見さん(仮名)は雅楽を始めたのが6~7歳であった。
師匠の元で稽古し始めたのが中学生に入ってから日々稽古に勤しんでいた。
そんな日々を送る中、稽古場の蔵の中で小道具を探していたときにあるものを発見する。
その古い巻物には’採桑老’(さいしょうろう)と書かれた舞いが記されていた。

何故か惹かれるものがあり、師匠である藤波さんに教えを乞う。
しかしながらその舞は教える必要はないと一蹴された。
何度か食い下がるうちに「人前で舞ってはいけない」と念を押され舞を教わることが出来た。

禁忌

それから10年後成見さんはとあるイベント会社のプロデューサーに突然呼ばれた。
「どうせやるなら 人のやらないことをしたい あの採桑老是非を踊っていただけませんか?」

師匠は既に雅楽界から身を引いていた。

その時採桑老を舞うことができたのはほんのわずかであり
恐ろしさと人の前で人滅多にやらないこの曲を踊ってみたい気持ちの方がせめぎ合う中
好奇心がだんだん大きくなってきてしまい要求を引き受けた。

成見さんは閉まい混んでいた一冊のノートを取り出した。
封印を施したノートには10年前、採桑老を伝授された時に事細かに記述した奥義が記されていた。
ついに成見さんはその日封印を破りたい衝動を解き放った。

その夜成見さんはそれまで見たこともなかったような奇妙に生々しい夢を見た。

それは採桑老の装束を身にまとった舞い人であった … 横たわるのは自らの死体

不気味な夢にうなされながらもその日が来た。
リハーサルとはいえ伝説の舞がベールを脱ぐとあり室内には異様な緊張感が満ちていた。

雅楽面の面職人もリハーサルに立ち合い
「この採桑老の面だけは作れないと思っていました。がんばりましょう」と一言据える。

まずは演奏者たちによって音出しが行われ、楽器ごとに練習してきたことが重なり合い
初めて採桑老という曲となった。

そしていよいよ成見さんが舞を披露する時が来た。

それは現世では決して手に入らないあるものを探し求める老人の姿を現した悲しげな舞であった。

楽器隊の一人がその時血を吐いて倒れた。本人も全く気付かなかった胃がんによる出血であった。
「決して人前で舞ってはいけない。約束できるな?」師匠の言葉が重くのしかかる。

成見さんは忘れていたわけではなかったが雅楽に対する情熱が不安要素を上回っていた。
それからも採桑老を一人稽古し続けた。

代償

ある日成見さんの元に一通の電話が掛かってきた。

それは篳篥(しちりき)の演奏者が交通事故に合い重傷を負ったとの連絡だった。
だが不幸の知らせはそれだけに止まらなかった。

太鼓の演奏者は原因不明の高熱で意識不明の重体
さらには面職人が作業場で急性白血病で緊急入院したのである。

逃れようのない何かが確実に起こり始めていた。

イベント会社のプロデューサーへ採桑老を舞うことへの不安を吐露した。

「あなたが気にするのが一番よくないんですよね。頑張りましょうもう少し。」
そう言って成見さんを窘めて電話を切ったとき、それは目の前に現れた。

採桑老の舞い人が確かに見たのだという・・・

その瞬間プロデューサーの妻が悲鳴にも似た声で叫んだ。

長男が倒れ、原因不明の病気に侵されてしまったのだ。

逃れられるものは一人もいないようだった。
あとは時間と順番の問題であると・・・

プロデューサの尽力によりイベントの中止が決定され、
関係者でお祓いの儀式が行われる手筈が整った。

お祓いの前日の夜、もやは練習のする必要がないため早々と横になったのだが、
その夜怪奇現象に見舞われる。

採桑老の舞い人が現れ、幾重にも発生した手に体を掴まれる体験をした・・・

お祓いは20人以上のお坊さんによって行われお経の朗読は4時間以上にも及んだという。

その日を境に病気だったりは熱病だった人たちは症状が改善し
やはり迂闊に障ってよいものではないと仲間内で話をしていた。

しかしそれにもかかわらず悲劇は起こってしまった。

麺職人の長澤さんだった。お祓いの後白血病から急速に回復していたはずだ・・・
長澤さんの職場には完成した’採桑老’の面が置かれていた。

退院後もイベントの中止を知りながらも面の制作を行っていた。
そしてその完成直後の出来事であった。

舞うと死ぬ・・・呪われた曲故に作られることのなかった’採桑老’のお面がそこにあった。

呪われた雅楽 採桑老
それは死を恐れ不老長寿の薬を求めてさまよう男の物語・・・
だが男は月日とともに歳を老い逃れようのない人へ向かい会うことに
そうだからこそこの曲には早死にして行った者たちの強い念が纏わりついているのかもしれない

最後に

呪われた楽曲という恐ろしい話でしたが、如何でしたでしょうか?

お面に強力な力を宿しているため、悲劇は起きたと思われますが、

日本の信仰には良くも悪くも力があるものはその時悪い影響を与えていたとしても

善に転じれば物凄く良い影響を与えれるという考え方があります。

このお面についてもやがて人々を幸せに導く力になればと思います。

ここまでご拝読いただき誠にありがとうございました。

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